ツェッペリンNT号飛来                                           2005年02月05日(土)、06日(日)
なぜ土浦で飛行船なのか
 
  76年前、当時世界最高の技術で建造され、航空機として初の世界一周を成し遂げたツェッペリン伯号。現代に置き換えればスペースシャトルと言えます。世界一周の航海の途中、離着陸したうち、

 ●ドイツ フリードリツヒス八−フ工ン
 ●日本 土浦/霞ケ浦
 ●アメリカ レイク八−スト

  この3都市は全て大きな湖の湖畔にあり、かつ飛行船の離発着に最適な気象・環境条件を持っていました。土浦・霞ケ浦は世界中で最も飛行船に適した場所の−つなのです。

  フリードリッヒス八−フ工ン市とレイク八−スト市の両市は、飛行船を観光や産業の中心に据え、素晴らしい博物館もある『飛行船の街』として多くの観光客が訪れています。土浦だけが飛行船を過去の歴史として扱っているのです。
ツェッペリン伯号 (機体番号:LZ-127)全長236.6m
 
65名の乗員を乗せて、最高速度は時速130kmにも及び、時速100kmでの巡航が可能でした。
1929年(昭和4年)8用8日にアメリカのレイク八−ストを旅発ち、9月1日に無事レイク八一ストに戻って、航空機による世界一周を初めて成し遂げました。

 霞ケ浦が寄港地に選ばれたのは、第一次大戦で日本が戦利品としてドイツから持ってきた巨大な飛行船格納庫があり、湖畔で風などの気象環境がよいこと、首都東京に近いことなどの理由です。東京に飛来した8月19日夕方、東京の市民は屋根という屋根によじのぽり、窓という窓に鈴なりになって夕日を受けて輝く巨体に歓喜の声を上げました。全長が236mですから、ちょうど高層ビルのサンシャイン60(池袋)が横倒しになって飛んでくるようなものです。翌日の全国の新聞紙面を飾り、『君はツェッペリンを見たか』が合い言葉になりました。停泊した霞ケ浦・土浦には東京から臨時便の列車も出て、自転車やリヤカー・徒歩で集まった人々は当時30万人だったといいます。

ツェッペリンLZ127 vs NT 
LZ127 NT
形式 硬式飛行船 半硬式飛行船
全長 236.6m 75m
最大直径 30.5m 15mぐらい(全高17.4m)
動力 マイバッハVL2水冷V型12気筒550馬力エンジン5基 航空用(ライカミングIO-360)200馬力エンジン3基
最大速度 128km/h(巡航速度117 km/h) 125 km/h
気嚢(ガスを溜める袋) 牛80万頭の盲腸の皮で15〜16個に区分 軽量強靱新素材合成繊維
外皮膜 木綿の帆布にアルミ塗料 軽量強靱新素材合成繊維
乗員 35名 2名
旅客 40名、客室10室 12名
骨組 ジュラルミン製 カーボンファイバー製
浮揚ガス 水素 ヘリウム
燃料 プロパンガス 航空ガソリン
航行可能距離 15,000km以上 900km
エンベロープ(外皮膜)容積 111,000m3 8,225m3
客室全長 35m 10.7m
搭載荷重 60t 1.9t
最大航続時間 5日以上 24時間
上昇限度 2,500m 2,600m
係留人数 くもの糸方式で1,000人程度必要 3名程度のグランドクルーで係留可能
重量 80〜90t 8.04t
建造 昭和3(1928)年(1940年解体) 平成15(2003)年
価格 約13億円(1000万ユーロ、本体のみ)
遊覧飛行 約43,000円(330ユーロ、約1時間、ドイツでの料金)
2月5日(土)  歓迎式典、イベント  水郷公園 多目的広場
ツェッペリンNT号  強風のため、本日飛来せず

  ツェッペリン伯爵はドイツ飛行船技師です。1898年から硬式飛行船の研究製造に関与し、大飛行船時代を樹立しましたが、1917(大正7)年に没しています。日本で有名なシーボルトの孫とツェッペリン伯爵の娘が結婚して親戚関係になっています。

  エッケナー博士はLZ-2からツェッペリン伯爵と親交を深め、飛行船事業に参画します。そして、ツェッペリン伯爵の後を受けついで1928年にLZ-127を完成させます。霞ヶ浦航空隊に飛来した1929(昭和4)年、LZ-127船長として世界一周の指揮をとっています。

  LZ-127は機体番号であり、ドイツ飛行船航空会社が建造しました。1928年がツェッペリン伯爵生誕90周年(没後11年)であったことを記念してグラーフ・ツェッペリン号と命名されました。グラーフとはドイツ語で伯爵の意味です。ですから、日本ではツェッペリン伯号と呼んでいます。その後できた超巨大飛行船ヒンデンブルグ号はLZ-129です。しかし、これが1937年になぞの大爆発を起こし飛行船時代に終わりを告げます。
ツェッペリンNT号はそれ自体が名前です。ご存知のようにNTはニューテクノロジーの略です。ツェッペリン飛行船技術会社が建造しました。この会社はグラーフ・ツェッペリンの遺志を受け継いだツェッペリン財団が42%出資してる子会社です。

  NT号、カタログによると風速17m/sまでは大丈夫なのだそうですが、今日は7m/sぐらいでした。まだ運転手が初心者マークだから、安全を期しているのでしょうか。
 
モリゾー&キッコロ ツェッペリンカレーに長蛇の列
大勢来ましたが肝心のNT号は飛来せず ツェッペリンカレーののぼり旗
2月6日(日)一般公開 補給処
補給処上空に現れる
近づいてきました 補給処に着陸
佐五右衛門の裏山上空を通過 50石宅と管理人宅の上空を飛ぶ
特別写真  (あたま提供)
これが押収格納庫です
フリードリッヒスハーヘンでのツエッペリン伯号
押収格納庫のツエッペリン伯号を見に来た娘たち
補給処へはこのように係留する予定でした